住宅ローンの金利について

住宅ローンを利用する際に最も大きな影響を与えるのが「金利」です。同じ金額を借りても、選ぶ金利タイプによって返済総額や毎月の負担が大きく変わります。金利の種類には「固定金利」「変動金利」「固定期間選択型」の3つがあり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。どのタイプを選ぶかによって将来の返済計画の安定性が変わってくるため、十分に理解したうえで判断することが大切です。
金利タイプ | 特徴 | メリット | デメリット | 向いている人 |
---|---|---|---|---|
固定金利 | 借入れから完済まで金利が変わらない | ・返済額が一定で計画が立てやすい・将来の金利上昇リスクを回避できる | ・当初金利は高め・金利が下がっても恩恵を受けられない | 長期安定を重視する人家計の見通しを優先する人 |
変動金利 | 半年ごとに金利が見直され、市場金利に応じて変動 | ・当初金利が低く、返済負担が軽い・金利が下がれば返済額も安くなる | ・金利上昇で返済額が増えるリスク・返済総額が読みにくい | 短期的に低金利を活かしたい人将来金利上昇に対応できる人 |
固定期間選択型 | 一定期間(3年・5年・10年など)金利を固定し、終了後に再選択可能 | ・一定期間は返済額が安定・金利状況に応じて再選択できる柔軟性 | ・期間終了後に金利が上がると負担増・数年ごとに見直し手続きが必要 | 中期的な安定と柔軟性を両立したい人将来のライフイベントに合わせたい人 |
固定金利
固定金利とは、借入れから完済までの返済期間を通して金利が一定のまま変わらないタイプです。返済額もずっと固定されるため、将来の家計設計を立てやすいのが特徴です。代表的な商品には「フラット35」があります。
固定金利のメリットは、仮に市場金利が上昇したとしても返済額が変わらない点です。長期的に安定して返済を続けられるため、将来の金利上昇リスクを心配する必要がありません。特に、長期にわたって返済を考えている人や安定志向の人には適した選択肢といえます。
一方でデメリットとしては、借入れ時点の金利が変動金利より高めに設定されているため、当初の返済額が重くなりやすい点です。また、市場金利が下がった場合でも、契約時の金利のまま返済が続くため、金利低下の恩恵を受けられません。
変動金利
変動金利は、半年ごとに金利が見直される仕組みで、市場金利の動向に合わせて返済額が変動します。借入れ当初は固定金利より低い金利が設定されているため、毎月の返済額を抑えられるのが特徴です。
メリットとしては、借入れ時に金利が低いため、初期の返済負担が軽くなることが挙げられます。また、市場金利が下がれば、その分返済額も安くなり、総返済額を抑えられる可能性があります。
ただし、デメリットは金利が上昇した際に返済額も増える点です。将来的に金利が大きく上がると、返済総額が想定よりも膨らみ、家計に大きな負担を与えるリスクがあります。特に長期返済を予定している場合、将来の金利変動を予測するのは難しいため、リスク許容度をよく考える必要があります。
固定期間選択型(金利選択型)
固定期間選択型は、一定期間だけ金利を固定し、その期間終了後は再度固定か変動かを選択できるタイプです。一般的には3年・5年・10年などの期間が用意されており、期間中は返済額が安定します。期間終了後は、その時点の市場金利に基づいて再び金利が決定される仕組みです。
メリットは、固定金利と変動金利の中間的な位置づけで、一定期間は返済額を安定させつつ、その後の金利情勢に応じて見直せる点です。例えば、当初は金利が低い時期に変動を選び、将来の上昇リスクを感じたら固定に切り替えるといった柔軟な対応が可能です。
一方でデメリットは、固定期間終了後に金利が急上昇していた場合、返済額が大幅に増えてしまうリスクがあることです。また、数年ごとに金利を見直す際には手続きが必要になり、金利予測を誤ると返済計画に大きな影響を与える可能性があります。
固定金利は、返済計画を安定させたい人に適している。
変動金利は、低金利の恩恵を受けたい人に有効だが、将来の金利上昇リスクがある。
固定期間選択型は、一定期間の安定と柔軟性を両立したい人に向いている。
自分のライフプランやリスク許容度に応じて、最適な金利タイプを選ぶことが大切です。
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住宅ローン金利の計算方法
住宅ローンを利用するうえで欠かせないのが「金利」の理解です。金利は単に借入金額に対して一定の割合がかかるだけではなく、返済方式や返済期間に応じて、毎月の利息額や総返済額が変動します。住宅ローンを検討する際には、利息がどのように計算されるのかを理解しておくことが、無理のない返済計画を立てるための第一歩となります。ここでは、住宅ローンの金利計算式と、実際の返済における利息の変化を具体例で紹介します。
住宅ローンの基本的な計算式
住宅ローンの利息額は、以下のような計算式を用いて求めることができます。
借入残高 × 金利 ÷ 12 = 1ヶ月あたりの利息額
この式からわかるように、利息は「借入金額の残高」に対してかかります。つまり、返済が進んで元金が減るほど、同じ金利でも利息額は少しずつ減っていきます。これが、住宅ローンの返済が「最初は利息が多く、後半は元金が多くなる」といわれる理由です。
実際のシミュレーション例
例えば、借入金額を3,000万円、固定金利を1.00%とし、月々の返済額を10万円とした場合の利息の変動を見てみましょう。
5ヶ月目の利息額:24,329円
10ヶ月目の利息額:23,918円
15ヶ月目の利息額:23,507円
20ヶ月目の利息額:23,096円
25ヶ月目の利息額:22,685円
この例からもわかるように、返済が進むにつれて毎月の利息額は徐々に減少していきます。その分、返済額の中で「元金」に充てられる割合が増えるため、ローン残高が加速度的に減少していく仕組みになっています。
利息が減っていく仕組み
住宅ローンの返済方式として一般的なのは「元利均等返済」です。この方式では、毎月の返済額(元金+利息)は一定ですが、返済初期は利息の割合が多く、後半になるほど元金の割合が増えていきます。
返済中期以降 → 残高が減ることで利息額が減少
返済後半 → 元金の返済割合が増えて残高が一気に減少
この仕組みを理解しておくと、繰上返済をするタイミングや返済プランの見直しを考える際に役立ちます。
この特性を理解しておくことで、「繰上返済でどのくらい利息を減らせるのか」「返済総額をいかに抑えるか」といった戦略的な返済計画を立てることが可能になります。
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住宅ローン金利ランキング
住宅ローンを選ぶ際、最も気になるのはやはり「金利の低さ」です。同じ借入額でも金利が0.1%違うだけで、返済総額には数十万円以上の差が出ることもあります。ここでは、固定金利・変動金利・固定期間選択型の「低金利ベスト3」をランキング形式でご紹介します。
固定金利ランキング
安定した返済計画を立てたい方におすすめの固定金利。ランキングは以下のとおりです。
業界内でもトップクラスの低金利。ネット銀行ならではのコスト削減を活かし、金利の安さで選ばれています。長期的に安心して返済したい人に最適です。
第2位:住信SBIネット銀行(0.91%)
ネット銀行の強みを活かした商品設計で、固定金利ながら1%を切る水準。サポート体制やオンライン完結の利便性も魅力です。
第3位:アルヒ株式会社(0.98%)
フラット35を中心に幅広い住宅ローン商品を扱う大手。全国規模の店舗展開で、相談体制も充実しています。
住宅ローンを安定して返済したいと考える方に人気なのが「固定金利型」です。固定金利は借入から完済まで金利が変わらないため、返済計画を立てやすく、長期的に安心できるという特徴があります。ただし、借入時点では変動金利よりも高めに設定されるケースが多いため、金利の低さや金融機関の信頼性を比較することが大切です。
金融機関名 | 金利 |
---|---|
楽天銀行 | 0.78% |
住信SBIネット銀行 | 0.91% |
アルヒ株式会社 | 0.98% |
群馬銀行 | 1.23% |
りそな銀行 | 1.23% |
イオン銀行 | 1.23% |
三井住友信託銀行 | 1.26% |
関西みらい銀行 | 1.28% |
新生銀行 | 1.30% |
ソニー銀行 | 1.366% |
※ランキングは金利が低い順に並んでいます。
固定金利を選ぶメリットは「金利上昇リスクを避けられる」ことですが、低金利の時期に契約するかどうかが大きなポイントになります。
変動金利ランキング
初期の返済負担を軽くしたい人に人気の変動金利。ランキングは以下です。
変動金利では最安水準。低金利を最大限に活かしたい人におすすめですが、将来的な金利上昇リスクに注意が必要です。
第2位:じぶん銀行(0.41%)
通信大手KDDIと三菱UFJ銀行が出資するネット銀行。利便性が高く、低金利と安心感を兼ね備えています。
第3位:横浜銀行(0.44%)
地方銀行ながら、都市銀行並みの低金利を実現。地域密着型のサポートを受けつつ、有利な条件で借入できるのが魅力です。
一方で、当初の返済負担を軽くしたい人に人気なのが「変動金利型」です。変動金利は半年ごとに見直され、市場金利の動きに応じて返済額が変わります。借入時の金利は低く抑えられるため、月々の返済を減らせるのが魅力ですが、将来的に金利が上昇すれば返済額が増えるリスクがあります。
金融機関名 | 金利 |
---|---|
ジャパンネット銀行 | 0.399% |
じぶん銀行 | 0.41% |
横浜銀行 | 0.44% |
住信SBIネット銀行 | 0.457% |
新生銀行 | 0.45% |
ソニー銀行 | 0.457% |
りそな銀行 | 0.47% |
イオン銀行 | 0.52% |
三菱UFJ銀行 | 0.525% |
楽天銀行 | 0.527% |
変動金利は「短期的に低金利を享受できる」反面、「将来の金利動向を予測できない」というリスクがあります。返済に余裕があり、金利が上がっても対応できる人に向いているタイプです。
固定期間選択型ランキング
「固定と変動のいいとこ取り」として人気の固定期間選択型。一定期間の安定と、その後の柔軟性を重視する人に適しています。
固定期間選択型でも最低水準の金利を提供。短期固定で低金利を活かしたい人に最適です。
第2位:三菱UFJ銀行(0.55%)
メガバンクならではの安心感とブランド力。低金利と全国展開のサポート体制を両立しています。
第3位:ソニー銀行(0.55%)
シンプルで分かりやすい商品設計が特徴。ネット銀行としての利便性に加え、顧客満足度の高さでも定評があります。
「固定金利と変動金利の中間」といえるのが固定期間選択型です。これは、3年・5年・10年といった一定期間だけ金利を固定し、その期間終了後に再度固定か変動を選び直せるタイプです。短期的に返済額を安定させたい人や、ライフイベントに合わせて柔軟に対応したい人に向いています。
金融機関名 | 金利 |
---|---|
じぶん銀行 | 0.55% |
三菱UFJ銀行 | 0.55% |
ソニー銀行 | 0.55% |
ジャパンネット銀行 | 0.62% |
りそな銀行 | 0.645% |
三菱UFJ銀行 | 0.65% |
イオン銀行 | 0.69% |
横浜銀行 | 0.715% |
楽天銀行 | 0.751% |
住信SBIネット銀行 | 0.76% |
新生銀行 | 0.80% |
固定期間選択型は、当初は変動金利並みの低さで借りられる一方、期間終了後の金利動向次第では返済額が大きく変動する可能性がある点に注意が必要です。
変動金利:当初の返済負担を軽くしたい人向け。
固定期間選択型:一定期間の安定と柔軟性を求める人向け。
金利は金融機関や時期によって変動するため、最新情報を常に確認し、自分のライフプランやリスク許容度に合わせて選ぶことが重要です。
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