建て替えにおける地盤調査について

住宅の建て替えを行う際に見落とされがちなのが「地盤調査」です。見た目には問題がない土地でも、実際には地盤が弱く、建物を建てた後に沈下や傾きが生じるケースもあります。こうしたリスクを避け、安全で長持ちする住宅を建てるためには、地盤の強さや性質を把握することが不可欠です。ここでは、地盤調査の基本から必要性、調査方法の種類まで詳しくご紹介します。
地盤調査とは?
地盤調査とは、建物を安全に建てられるかどうかを確認するために土地の状態を調べることを指します。地盤の硬さや強さを測定し、その結果が基準値を下回る場合には、不同沈下(地盤沈下によって建物が傾く現象)が起きる可能性があります。こうした被害は住まいの耐久性や快適性を大きく損なうため、地盤調査は建築の初期段階で必ず実施される重要な工程です。
また、住宅ローンや住宅瑕疵保険に加入するためにも地盤調査は必須とされています。保険加入条件として調査結果が求められるため、建て替えを検討している人にとって避けては通れないステップです。
不動産を購入して建て替える場合の注意点
中古住宅を購入し、解体して建て替えるケースでは「住宅瑕疵担保履行法」によって地盤調査と保険加入が義務付けられています。本来であれば売り主が引き渡し後10年間の瑕疵担保責任を負いますが、売り主が倒産してしまうリスクも考慮されており、その場合でも買い主が安心して暮らせるよう保険制度が整えられています。
つまり、中古住宅を購入して建て替える場合には、必然的に地盤調査を行い、保険加入を前提とした手続きが必要になるということです。
地盤調査の種類と特徴
地盤調査にはいくつかの方法があり、土地の条件や建物の規模によって最適な調査方法が選ばれます。代表的な調査方法をまとめると以下の通りです。
調査方法 | 特徴 | 適用例・メリット |
---|---|---|
スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験) | 住宅の地盤調査で最も一般的。鉄の棒を回転させて地盤の抵抗を測定。 | 費用が比較的安く、一般住宅の調査に広く使われる。結果も短期間で得られる。 |
ボーリング調査 | 大きな重機を使い、地盤を掘削してサンプルを採取。詳細な土質や地下水位を確認可能。 | 大規模建築や地盤が複雑な場所に有効。精密なデータが得られる。 |
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建て替えにおける地盤調査と地盤改良の費用

住宅を建て替える際には、建物本体の費用だけでなく「地盤」に関する調査や工事の費用も重要なポイントです。地盤の強さや性質によっては、そのまま建築できる場合もあれば、地盤改良工事が必要になることもあります。ここでは、まず地盤調査の費用について解説し、その後に代表的な地盤改良工法と費用の相場をご紹介します。
地盤調査の費用
●建て替えの地盤調査費用:約60,000円~250,000円
建て替え時に行われる地盤調査にはいくつかの方法がありますが、代表的なのは「スウェーデン式サウンディング試験」と「ボーリング試験」の2種類です。どちらの方法を選ぶかは土地の規模や地盤の状態、建物の大きさによって決まります。
一般的に木造住宅などではスウェーデン式サウンディング試験が用いられることが多く、比較的安価で短期間に結果が出ます。一方、大規模建築や地盤が複雑な土地ではボーリング試験が行われ、詳細で精密なデータを得ることができますが、費用は高額になります。
調査方法 | 特徴 | 費用相場 |
---|---|---|
スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験) | 一般住宅向け。鉄の棒を回転させて地盤の強さを測定。短期間・低コストで実施可能。 | 約60,000円〜70,000円 |
ボーリング試験 | 重機を使って掘削し、土質や地下水位まで精密に確認。大規模工事向け。 | 約200,000円〜250,000円 |
地盤改良の費用
地盤調査の結果、土地が軟弱でそのまま建物を建てるのに適さないと判断された場合には、地盤改良工事が必要となります。改良工法にはいくつかの種類があり、地盤の深さや性質に応じて最適な方法が選ばれます。ここでは代表的な3つの工法をご紹介します。
表層改良工法
●表層改良工法の費用:約30,000円〜35,000円/坪
表層改良工法は、地表から約2m以内にある軟弱地盤を固める方法です。セメント系の固化材を混ぜ込んで地盤を安定させる工法で、浅い地盤の改良に適しています。比較的安価で施工期間も短く済むため、軽量住宅や小規模建築に多く採用されます。
柱状改良工法
●柱状改良工法の費用:約40,000円〜50,000円/坪
柱状改良工法は、2m〜8m程度の深さまで軟弱地盤がある場合に用いられる方法です。地中に円柱状の改良体を形成し、その上に建物を支える構造となります。表層改良に比べると費用は高くなりますが、中規模から大型住宅まで幅広く利用される工法です。
鋼管杭工法
●鋼管杭工法の費用:約50,000円〜70,000円/坪
鋼管杭工法は、30m以内の深さにある軟弱地盤に対応する工法です。鋼製の杭を打ち込み、硬い支持層に到達させることで建物を支えます。非常に強固で耐久性の高い工法ですが、費用は最も高額になります。重量のある建物や地盤が極端に弱い土地で採用されます。
・地盤調査費用は 6万〜25万円 程度
・改良工事は地盤の状況によって大きく変動し、坪単価で 3万円〜7万円程度
安全で長持ちする家を建てるためには、初期段階での地盤調査と必要に応じた改良工事が欠かせません。費用はかかりますが、後々のトラブルを防ぐための「安心への投資」と言えるでしょう。
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地盤改良工事を行う際の注意点
地盤改良工事は、安全で長持ちする住宅を建てるために欠かせない工程ですが、実際には予定よりも費用や工期が増えるケースがあります。特に建て替えの場合、解体後に初めて正確な地盤の状況が分かるため、追加工事が必要になることも少なくありません。ここでは、地盤改良工事を行う際に気をつけたい代表的な注意点をご紹介します。
1. 想定以上に地盤が軟弱な場合
調査段階では「表層改良」で十分と判断されても、実際に掘削してみると軟弱な地盤が深くまで広がっているケースがあります。その場合は「柱状改良」や「鋼管杭工法」への変更が必要になり、数十万円から数百万円の追加費用が発生する可能性があります。
注意点:地盤調査結果をもとに複数パターンの見積もりを取っておくと安心です。
2. 地下水や湧水が多い土地
地盤の中に地下水が多く含まれている場合、改良工事が難航することがあります。水の影響でセメント系固化材が固まりにくくなったり、追加の排水作業が必要になることもあります。その結果、工期が延びたり追加費用がかかることがあります。
注意点:周辺に川や沼地がある土地は特に注意が必要です。
3. 敷地が狭い・重機が入りにくい場合
都市部の住宅密集地では、改良工事に必要な重機や杭打機が入りにくいケースがあります。その場合は小型機械を使うことになり、効率が落ちて工期が延びたり、施工費が高くなることがあります。
注意点:事前に施工業者へ「重機の搬入経路」を確認しておくことが大切です。
4. 解体後に分かる地盤リスク
建て替えでは、既存建物がある状態では正確な調査ができないこともあります。解体後に改めて調査すると「思ったより地盤が弱い」と分かり、追加の改良が必要になることもあります。
注意点:最初から「追加工事の可能性あり」と想定して予算に余裕を持たせることが重要です。
5. 工期延長による全体スケジュールへの影響
地盤改良に時間がかかると、その後の基礎工事や建て方のスケジュールに影響が出ます。結果として建て替え全体の完成時期が遅れることもあるため、引っ越しや仮住まい費用の延長にもつながります。
注意点:工期に余裕を持ち、仮住まい契約も「延長可能」な物件を選んでおくと安心です。
・想定より深い軟弱地盤
・地下水の影響
・重機の搬入困難
・解体後に分かる新たなリスク
これらを考慮し、予算に10〜20%程度の余裕を持たせ、工期も余裕をもって計画することが失敗を防ぐポイントです。
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建て替えの費用を抑えるには?

建て替えの費用を抑えるには、相見積もりを取り、業者の費用を比較することです。
建て替えを依頼できる業者は、ハウスメーカー・工務店・建築事務所など各県に数多く存在します。理想のプランや費用で対応してくれる業者を探すには、複数の会社・業者を比較しながら見定めます。
相見積もりとは?
相見積もりとは、数社から見積もりを取り、価格や費用を比較検討することを意味します。
建て替えを安くするには、相見積もりが重要となりますが、相見積もりを自分で行うと手間と時間がかかります。また、優良会社を見定め依頼をしないといけないので会社探しが難しく最悪の場合、悪質業者に依頼することがあり、想定以上の高い費用で建て替えを行うことになってしまいます。そうならない為にもオススメなのが、一括見積もり無料サービスを利用しましょう。
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建て替えの費用に関する記事を全てまとめましたのでご覧下さい。
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参考:家の建て替えの費用の相場は?