3階建て住宅における直通階段の規定と注意点

都市部の狭小地では、限られた土地を有効活用できる3階建て住宅の人気が高まっています。しかし3階建てを建築する場合、建築基準法に基づく厳しい規定があり、その中でも「直通階段」に関するルールは特に重要です。直通階段の仕組みや法律上の制約を理解しておくことで、設計段階でのトラブルや建築後の後悔を避けることができます。
直通階段とは?
直通階段とは、災害時に居室から安全に避難できるよう設計された階段のことを指します。一般的に「螺旋階段」や「回り階段」のように途中で方向転換が必要なものは直通階段とは見なされません。
つまり、各階の居室から直接、避難経路となる階段に接続されている必要があるというのが大前提です。この規定は、火災や地震などの緊急時にすぐに避難できるようにするための安全確保策です。
直通階段に関する建築基準法のルール
3階建て住宅の階段は、建築確認申請を行う際に構造計算書とともに審査を受け、基準を満たした場合のみ許可されます。規定の概要を整理すると以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
階段の位置 | 各階の居室から直接出入りできることが必須 |
回り階段・螺旋階段 | 直通階段とみなされず、原則禁止 |
1階から3階 | 必ずしも1本でつなげる必要はないが、1階→2階、2階→3階とそれぞれ直通で接続する必要あり |
扉の設置 | 階段に扉やウォールドアを設置することは禁止。見通しを妨げ、避難を妨害するため |
法的根拠 | 建築基準法施行令(火災時避難規定)に基づく安全基準 |
例:寝室を通らないと階段に行けない設計 → NG。
階段途中にドアを設ける設計
例:階段と廊下の間にドアを設置 → NG。
スリムなデザイン優先で螺旋階段を採用
例:省スペース化のための螺旋階段 → NG(避難経路として認められない)。
直通階段以外の3階建て住宅の法規制
3階建て住宅では、直通階段以外にもさまざまな法律上の規制があります。代表的なものを以下にまとめました。
規制項目 | 内容 | 注意点 |
---|---|---|
非常用出入口 | 窓を利用可能。高さ120cm、幅75cm、直径1mの円が通る寸法が必要 | 小窓では不可 |
排煙規制 | 自然排煙が義務付けられる。煙がこもらない設計が必須 | 排煙窓の設置が必要 |
高さ制限 | 第一種低層住居専用地域では10mまたは12mまで | 「斜線規制」「日影規制」も併用される |
建ぺい率・容積率 | 用途地域により決定。建ぺい率は30〜60%、容積率は100〜200%程度が多い | 狭小地では容積率を超えないよう注意 |
特に階段に関しては、デザイン性や省スペース性よりも安全性が最優先されるため、螺旋階段や回り階段を採用したい場合は要注意です。さらに、非常用出入口や排煙窓の設置、高さ制限や建ぺい率の遵守も必要になります。
設計段階から3階建て住宅に強いハウスメーカーや工務店に相談し、直通階段を含む法規制をクリアしたプランを検討することが、後悔しない住まいづくりの第一歩となります。
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直通階段を採用した3階建て住宅の間取り例
3階建て住宅は狭小地でも広い空間を確保できるのが魅力ですが、直通階段の規定を満たしながら設計する必要があります。ここでは 3LDK・二世帯住宅・ビルトインガレージ型 など、代表的な間取り例を紹介します。
間取り例①:都市型3LDK(狭小地向け)
階 | 間取り | 特徴 |
---|---|---|
1階 | 玄関・シューズクローク・浴室・洗面・トイレ | 水回りを1階に集約し、生活動線をコンパクト化 |
2階 | LDK(約18畳)・バルコニー | 家族が集まる空間を中央に配置し、採光も確保 |
3階 | 主寝室(約8畳)・子ども部屋×2(各6畳) | プライベート空間を上階にまとめ、静かな環境 |
ポイント
直通階段を中央に配置することで、各階へのアクセスがスムーズ。狭小地でも広いLDKを確保でき、都市部の子育て世帯に人気。
間取り例②:二世帯住宅タイプ
階 | 間取り | 特徴 |
---|---|---|
1階 | 親世帯用:LDK・寝室・浴室・洗面・トイレ | 高齢者向けにバリアフリー仕様 |
2階 | 子世帯用:LDK・トイレ | 生活リズムが異なる世帯でも快適に暮らせる |
3階 | 子世帯用:主寝室+子ども部屋×2 | 将来的に仕切れる子ども部屋を確保 |
ポイント
直通階段により各階が独立した空間として機能。完全分離型の二世帯住宅としても利用可能で、プライバシーを守りつつ同居できる。
間取り例③:ビルトインガレージ型(車・バイク好き向け)
階 | 間取り | 特徴 |
---|---|---|
1階 | ビルトインガレージ(2台)・玄関・物置 | 雨の日でも濡れずに家へ。趣味スペースとしても活用可能 |
2階 | LDK(約20畳)・バルコニー | 開放的な吹き抜けリビングを採用 |
3階 | 主寝室・子ども部屋×2・トイレ | 静かなプライベート空間を確保 |
ポイント
直通階段によりガレージから居住スペースへの動線も安全に。車・バイクだけでなくアウトドア用品の収納にも便利。
間取り例④:ワークスペース併設型(在宅勤務対応)
階 | 間取り | 特徴 |
---|---|---|
1階 | 玄関・浴室・洗面・トイレ・ワークスペース | 仕事部屋を独立させて集中しやすい環境に |
2階 | LDK+バルコニー | 家族と過ごす中心の空間 |
3階 | 主寝室+子ども部屋×2 | プライベート空間をまとめ、生活リズムを分離 |
ポイント
直通階段で動線を分けながら、仕事と生活を両立できる間取り。コロナ禍以降に需要が高まったスタイル。
都市型 → コンパクトながら広々LDK
二世帯住宅型 → プライバシーを確保しつつ同居
ビルトインガレージ型 → 車・バイク趣味に最適
ワークスペース型 → 在宅勤務世帯に人気
設計時には「階段の位置」「採光・通風」「将来のバリアフリー対応」を考慮することで、長く快適に暮らせる3階建て住宅を実現できます。
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3階建て住宅の見積もりを予算オーバーしないように激安にするには?

3階建て住宅の見積もりで予算オーバーしないように激安にするには、相見積もりを取り、ハウスメーカーや工務店の見積もりを比較することです。
3階建て住宅を依頼できる会社は、ハウスメーカー・工務店・建築事務所など各県に数多く存在します。理想のプランや費用で対応してくれる業者を探すには、複数の会社・業者を比較しながら見定めます。
相見積もりとは?
相見積もりとは、数社から見積もりを取り、価格や費用を比較検討することを意味します。
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